寝たきりの介護で注意したいこと５選。介護のポイントも解説

「今まで元気だった自分の親が寝たきりになってしまった。どうしたらいい？」

介護が必要になる時は、突然訪れます。

寝たきりの方の介護は、様々な面で想像以上に負担が大きいものです。

今回の記事では、親が寝たきりになった時に注意したいことをはじめ、具体的な介護手法や想定される介護期間、施設利用について解説します。

親が寝たきりになったら介護で注意したいこと

寝たきりになってしまった時に、介護で注意したいことは色々あります。

ここでは、気を付けるべきポイントを５つに絞って解説します。

親が寝たきりになったら介護で注意したいこと① 床ずれ

最初に注意したいことは、床ずれです。

寝たきりになることで、一部に圧が集中しやすくなり、床ずれが発生します。

特に、骨が出っ張っている場所に床ずれができやすい特徴があります。

圧が集中しないように、クッションを置いたり、定期的に体の向きを変えたりするなどの工夫を行いましょう。

親が寝たきりになったら介護で注意したいこと② 体力低下

寝たきりによる体力の低下にも、注意が必要です。

体力が低下すると、筋力が落ちるだけでなく、飲み込む力や全身的な免疫力なども低下してきます。

感染症や肺炎になる確率が増えますので、起こせる時には車椅子に起こし、座る姿勢になることが重要です。

親が寝たきりになったら介護で注意したいこと③ 誤嚥

体力が落ちてくると、飲み込みの力も落ちてきます。

飲み込みの力が落ちると、気管に食べ物が入ってしまう可能性が高くなり、誤嚥性肺炎や窒息してしまうことがあります。

飲み込みの力が衰えてきたら、水分にとろみをつけたり、食べ物の形態を変えたりするなどの工夫が必要です。

親が寝たきりになったら介護で注意したいこと④ 排泄ケア

オムツの使用にも注意が必要です。

体のサイズにあっている物を使用するのはもちろん、ギャザーをしっかりと当てたり立てたりする工夫が必要です。

メーカーごとにオムツの正しい使い方がありますので、正しく使うようにしましょう。

親が寝たきりになったら介護で注意したいこと⑤ 全身的なケア

寝たきりになると、お風呂に入ることも大変になるため、全身の清潔を保つことも難しくなります。

定期的に訪問入浴やデイサービスなどで入浴を行い、全身を綺麗な状態に保ちましょう。

また、糖尿病がある場合には、足の爪のケアも重要になってきます。

清潔な状態を保ち、皮膚トラブルなどにつながらないようにしましょう。

寝たきりの方の２つの介護のポイント

寝たきりの介護には２つのポイントがあります。

それぞれ詳しく解説します。

寝たきりの方の介護のポイント① オムツ交換

オムツ交換には、以下のポイントがあります。

オムツ交換の手順

オムツの交換手順は以下の通りです。

寝たきりの方の介護のポイント② 便利グッズを使う

今は、寝たきりの方の介護の便利グッズも販売されています。

あると便利なグッズは、以下の通りです。

床ずれ防止用のマットレス・クッション

圧が分散されやすいマットレスで、床ずれができる可能性が低くなります。

コールボタン

離れた場所に入れても、コールで呼び出し音がなります。

食事用エプロン

食べこぼしによる衣服の汚れを防ぎます。

お薬カレンダー

ポケットがついたカレンダーになっているため、お薬の飲み忘れに気づきやすくなります
。

すいのみ

コップを持つことが難しい場合に、飲ませやすく飲みやすい構造になっています。

消臭剤

介護現場に、臭気はつきものです。様々な臭気ををケアしましょう。

介護用の食器

少しでも自分で食べられる可能性がある場合、食べやすい食器を用意してあげるだけでも、介護負担が減る可能性があります。

スポンジブラシ

思うように歯ブラシができない場合、スポンジブラシを使って口の中を綺麗にできます。

寝たきり高齢者の楽しみは？

寝たきりになってしまうと、生活をしていく上で、楽しみも少なくなってしまいます。

寝たきりでも楽しめるレクリエーションの一例は、以下の通りです。

寝たきりになってしまった方の介護期間

介護期間は、介護を受ける方の病気や状態により変化しますので、一概には言えません。

しかし、令和３年度の生命保険に関する全国実態調査では、平均的な介護期間は61ヶ月とされています。

つまり、５年程度は在宅・施設を問わず介護が必要になる期間があるということです。

出典：生命保険文化センター　令和３年度生命保険に関する全国実態調査

寝たきりの方の在宅介護が無理だと感じたら

在宅での介護が無理だと感じたら、施設の利用も検討してみましょう。

様々な施設があるため、どのようなサービスが必要なのか慎重に判断し、適切な施設を選定しましょう。

とはいえ、金銭的な問題や本人の拒否などで、完全に施設入所ができない場合もあることでしょう。

そのような時は、ショートステイやデイサービスなどのサービスを使って、介護者の時間を確保するようにしてみてください。

介護から離れる時間は必要です。意識して、自分の時間も作るようにしましょう。

寝たきりの方が介護施設を利用する場合の費用は？

寝たきりの方でも、様々な施設の利用が可能です。

入れる施設の種類と費用の概要は以下の通りです。

寝たきりの方が入れる施設の種類とその費用

施設の種類	初期費用	月額費用
特別養護老人ホーム	０円	８〜14万円
介護医療院	０円	７〜14万円
介護老人保険施設	０円	７〜14万円
介護付き有料老人ホーム	０円〜数千万円	15〜35万円

料金は施設の種類や施設ごとに大きく異なりますので、施設入所前にしっかりと確認しておきましょう。

介護付き有料老人ホームでは、介護スタッフが所属しており、施設内でサービスを展開しているため、料金が高額になりやすい傾向があります。

施設の利用は金額面で難しい場合、自宅に専門家を招き、介護のことや今後のことについて相談することもできます。