脳梗塞のリハビリは自宅でもできる!具体的な方法を解説
脳梗塞の診断をされ、なんとか一命を取り留め、長いリハビリ期間を経てようやく自宅へ戻って来られた患者様。
本当に、大変な思いをされたと思います。
脳梗塞は病気の程度が軽くても、多少の麻痺や手足の動きにくさが残ってしまうものです。
リハビリスタッフが毎日行ってくれたリハビリも、退院してしまうとなかなか受けられません。
自宅でリハビリをする方法はないものかと、自分に合った方法を探している方も多くいることでしょう。
今回の記事では、脳梗塞の方が自宅でもできるリハビリについて解説します。
症状の程度は患者様によって様々ですので、状態に合わせて自分でできるものを取り入れていきましょう。
この記事の監修者
笑って介護 代表 氏原 大貴
理学療法士など5つの資格・認定を習得。業界を10年以上を経験し、「のぞみ整体院」を6店舗運営。
「通い続ける整体院」ではなく、根本改善を目的とした施術が評判となり、年間1万人以上が来院。「もっと自宅で動けるようになりたい」という脳卒中後遺症の方、高齢者の方の声がきっかけとなり、「笑って介護訪問リハビリマッサージ」サービスを開始。利用者の方からは多くの喜びの声が寄せられている。
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自宅でできる脳梗塞のリハビリの方法〜足編〜
ここからは、自宅で実際にできる足のリハビリを解説します。
脳梗塞後の状態は人により大きく異なるため、自分でもできる範囲の運動を行うようにしてください。
また、転倒には十分に注意して行うようにしてください。
足を使った脳梗塞リハビリ➀ふくらはぎのストレッチ
脳梗塞の後には、ふくらはぎが硬くなりやすい方がいます。
アキレス腱を伸ばすように、しっかりとふくらはぎを伸ばしていきましょう。
- 足を前後に大きく広げて、伸ばしたい側の足を後ろにします。
- 踵をしっかりと地面につけ、ふくらはぎを30秒以上伸ばしていきましょう。
- 30秒のストレッチを3〜4セットほど行います。
足を使った脳梗塞リハビリ②足踏み
足踏みは、足に荷重感覚を入力したり、足を持ち上げる筋肉を鍛えたりするのに効果的です。
転倒に注意しながら行いましょう。
- 転倒しないように物に捕まりながら足踏みを行います。
- 特に麻痺がある足に体重が乗る時には、膝折れしないように注意しましょう。
- 荷重の感覚をつかむためには、多くの回数が必要です。30〜50回を1セットとし、1日に3セットほど行いましょう。
足を使った脳梗塞リハビリ③足首を返す運動
脳梗塞の後には、足首の返りが悪くなることが多いです。
足首の返りを強くして、歩く時につまづかないようにしましょう。
- 麻痺している足が上になるように足を組みます。
- 足を組んだ状態で、足首を返すように力を入れます。
- スネの筋肉を意識して足首を返しましょう。
- 足の動きが悪い場合は、手で運動を手伝っても大丈夫です。
- 1日に30回を4セットほど行いましょう。
足を使った脳梗塞リハビリ④膝を伸ばす運動
麻痺が強い状態では、膝に力が入らず、体重をかけても膝が不安定なことがあります。
しっかりと体重を支えるためにも、膝を伸ばす力をつけましょう。
- 椅子に腰掛けたまま、膝をしっかりと伸ばします。
- 膝を伸ばす側のももの裏は、しっかりと椅子につけておきましょう。
- ももの前に力を入れるように意識します。
- 足が少し疲れるくらいまで運動を行います。
足を使った脳梗塞リハビリ⑤体重移動
体重移動は、足に荷重感覚を覚えさせるためのトレーニングです。
歯磨きをする時や、トイレに立ったついでなど、日常生活の場面で練習を行うようにしましょう。
- 足を肩幅に 広げます。
- 体が傾かないように、麻痺がある足に体重を乗せていきます。
- 股関節から動かして、姿勢よく体重を乗せることがポイントです。足も曲がらないように注意しましょう。
足を使った脳梗塞リハビリ⑥立ち上がり練習
麻痺がない側の足も鍛えられるトレーニングです。
麻痺がない側に頼りやすくなるため、できる限りまっすぐ立ち上がるようにしましょう。
- 椅子に浅く腰掛け、足は軽く引きます。
- しっかり前かがみになり、良い足に頼らないように、両足を均等に使うイメージで立ち上がりをします。
- 座る時も同様に、前かがみを意識しながらゆっくりと座ります。
自宅でできる脳梗塞のリハビリの方法〜手編〜
次にご紹介するのは、手のリハビリです。
今回ご紹介するリハビリ以外にも、自宅で過ごすあらゆる動作で、普段から手を使うことを意識しましょう。
指のストレッチ
麻痺があると、指も開きにくくなってしまう方がいます。
できるだけ、指を柔らかい状態に保ちましょう。
- テーブルに指を広げておきます。
- 体重を手にかけながら、手首が返るように体重をかけていきます。
- 少し痛いくらいの状態を30秒程度維持します。
- 30秒を1セットとし3〜4セットストレッチをします。
手を使った脳梗塞リハビリ➀手指の内外転運動
指は、グー・パー以外にも、指を伸ばした状態で指を広げたり、指を近づけたりする運動もあります。
これらの動きを指の内外転と言います。
この指の内外転を練習します。
- 指をパーの状態で机におきます。
- 全ての指がくっつくように、指を閉じます。
- この時、指先が曲がらないように注意しましょう。
- 少し疲れるくらいまで、トレーニングを行います。
- 肩などに無駄な力が入らないように注意してください。
手を使った脳梗塞リハビリ②握力トレーニング
手に麻痺が出てしまうと、握力は途端に落ちてしまうものです。
様々な握力改善グッズも出ていますので、自分に合った適度な力のものを利用し、握力を鍛えます。
- タオルやゴムボールなど、握力を鍛えられそうなものを握ります。
- 少し疲れるくらいまで運動を続けます。
- 肩が上がったり、首に力が入ったり、肘が曲がっていかないように注意してください。
手を使った脳梗塞リハビリ③つまみ運動
親指は、ものをつまむために複雑な運動をしています。
親指と残りの4本の指が、しっかりとくっつくように指を動かしていきます。
- 親指と人差し指で、小さなものをつかむように、指を動かします。
- つまむ練習を親指と中指、親指と薬指というように色々な指でつまむ練習をします。
- 親指の付け根からしっかりと動かすことが重要です。
脳梗塞のリハビリにおすすめのグッズ
リハビリの道具も昔と違い、様々なものが出てきています。
ネットショッピングも身近になったため、色々なグッズが手に入りやすくなっています。
中には、リハビリ室にあるような道具も自宅で買えたりする時代です。
ここでは、脳梗塞のリハビリにおすすめのグッズをご紹介していきます。
脳梗塞リハビリにおすすめのグッズ➀握力を鍛える道具
最初は、握力を鍛える道具です。
ボール型のものやバネを使った物など、形状も様々な物があります。
あなたの握力に合ったものを選び、少しきつい程度の運動になるように負荷量を調整しましょう。
脳梗塞リハビリにおすすめのグッズ②ミラーセラピーの道具
脳梗塞の手のリハビリで「ミラーセラピー」というものがあります。
鏡に映った手を見ながら運動することで、麻痺して動きにくい手が動いているかのような錯覚を利用したものです。
昔は、セラピストがダンボールと鏡で手作りをしていましたが、今はこのような便利な商品が出ています。
画像引用:ミラーセラピー リハビリボックス
脳梗塞リハビリにおすすめのグッズ③ペグボード
リハビリ室で、誰もが1度は見たことがあるであろう、「ペグボード」です。
つまむ・握るといった運動の練習を行います。
脳梗塞リハビリにおすすめのグッズ④多点杖
歩行が安定してきたものの、普通の1本杖では不安という方のための杖です。
多点杖も、今は色々な形があります。
点と点で構成される、体重を支える面が大きいほど安定しますが、歩きのスピードは出ません。
杖を使う人の歩行スピードに合わせて、多点杖を選ぶようにしましょう。
脳梗塞リハビリにおすすめのグッズ⑤ワンハンド爪切り
片手が使えない時に、大変困るのが爪切りです。
ワンハンド爪切りは、片手で爪を切れるような仕様になっている商品です。
リハビリというよりも、普段の生活で実用的に使う商品だと思っていただければ良いです。
脳梗塞リハビリにおすすめのグッズ⑥箸の自助具
脳梗塞になると、指の力も落ちてしまうため、食事が難しくなります。
中には、スプーンなどで食事をしている方もいるでしょう。
箸の自助具を用いれば、道具がガイドの役割をしてくれるため、箸で食事がしやすくなります。
指先のトレーニングにもなるため、使えそうな方は使ってみましょう。
参考:箸ぞうくん
脳梗塞のリハビリをしないとどうなる?
脳梗塞になると、脳の一部の細胞が壊死してしまい、壊死した部分が担っていた機能が失われてしまいます。
人間は、失われた機能を取り戻すため、脳に新たなネットワークを作り始めます。
この、新たなネットワークを作るためには、リハビリで正しい運動方法を覚えていかなければなりません。
徐々にではありますが、新しいネットワークは作られていき、少しずつ様々な動作ができるようになるのです。
脳梗塞になった後リハビリをしないと、新たなネットワークが作られないため、機能は一向によくなりません。
さらに、動かなくなることにより、麻痺が無い健康な方の手足や胴体にまで影響が出てきます。
体力が落ちてしまうため、太ってしまったり、筋力が落ちてしまったりします。
生活習慣病になるリスクも高くなると言えるでしょう。
このように、脳梗塞になってしまった方は、リハビリがとても重要です。
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